西峰への途中の塩基性カンラン岩を攀じ歩る◎西峰へ、そして、下山
 コルまで下りる途中、双眼鏡で西峰への踏み跡を探すが、コルから直接の道は見当たらない。花畑の方を覗くと薮漕ぎしなくとも登れそうなので、ルートを探していると、上の方に赤いテープが見える。コルを抜け、花畑の中を花を踏まないように、あちこちにあるクマの掘り返し部分を繋ぎながら、赤いテープのところまで行ってみる。そこから下の方には踏み跡は見当たらない稜線に現れる花畑が、上の方にはそれらしい痕跡が続いている。そこにリュックを置いて、その跡を辿り、薄茶色の塩基性カンラ岩の大きな露岩を攀登り(1)、西峰への稜線に出る。稜線に出るとはっきりとした踏み跡が付いていて、次から次とお花畑が出現するのがうれしい(2)

  露岩の色からして、本峰とは明らかに違う超塩基怯カンラン岩らしく、特有の花も多いとのこと。夕張岳と共通するカトウハコベと花のついていないユキバヒゴタイを見付ける。ユーパリリンドウもあるらしい。その他、シナノキンパイ、エゾノハクサンイチゲ、エゾノツガザクラのほかに、ミヤマオダマキ、ショウジョウバカマ、ヨツバシオガマ、ハクサンチドリ、ミヤマアズマギク、イワヒゲ、キバナシャクナゲ、ケエゾキスミレなどたくさんの花が咲いている。ムシトリスミレも見付ける。予想以上の花の山に、頑張って西峰を訪れた甲斐があり、凄く儲けたような感じで嬉しくなる。頂上の露岩の上に腰掛け、のんびり休憩する(3)。また、西峰から眺める本峰の姿もどっしりとしたいい眺めである(4)。
西峰頂上にて
 大満足で西峰から下りる途中、ちょうど雪渓の上部で休んでいるヘルメットと沢登スタイルに身を固めた3人連れが見える。私のような軽装でこのような時間にもう下りてくるのが気に食わなかったのか、言葉を掛けても愛想が悪かった。まもなく雪渓の上を男性一人、さらに女性4人が登ってくる。いずれの人達にもぜひ西峰にも行くように勧めて別れる。女性の4人パーティは渓流シューズだけで、「こんなに雪渓があるとは思わなかった。」と言い、雪渓の上は歩きづらそうであった(5)。
西峰から眺める本峰
 雪渓を下り尾根を乗越し、曲り沢の涸れ沢を下り、水の出てくる地点で、靴を履き替えて沢沿いの踏み跡を下る。確かにに濡れた岩は滑らないが、それでも何度か転んだり、転びそうになったりしながら、快調に下る。
二の沢の雪渓の上を進む女性4人連れ
 ちょうど12時、予定より1時間半も早く登山口に到着。全身着替えて、登山口を後にする。国道に出て、途中で電話をするために車から下りて、暑いのにびっくりする。30度近くもあったのではないだろうか。山は、沢ぞいの道で、日陰がほとんどで、稜線は高度があるので涼しいし、地上の暑さとは無縁だということが実感できた。

 途中、・千栄にあるドライブインで食べた「ちゃんこ味噌ラーメン」は、汗をかいた後だけとてもおいしかった。その後、いつもの日高・沙流川温泉で汗を流して帰路に就く。

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