チロロ岳(1879.8)A
<パンケヌーシ川曲り沢コース>  2名 13,7、21
@96,7,14の曲り沢コース
05,6,23の登山道整備作業
    パンケヌーし川曲り沢と二ノ沢の源頭まで詰めて17年ぶりの本峰と花の西峰再訪。

5:00 日高道の駅発
登山地点下山
 5:45
 6:05
 7:10
 7:55
 8:55
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 9:30
登山口
取水ダム
上二股
尾根乗越し
西峰分岐
西 峰
本 峰
13:45
13:30
12:35
12:00
11:20
10:45
10:00
[4:45]所要時間[3:45]
14:30 日高沙流川温泉(入浴)
18:00 日高道の駅(泊)

 美しい響きを持つこのチロロ岳。双耳峰をなし、本峰(左)は一面ハイマツで覆われているが、西峰の方は塩基性かんらん岩の山でお花畑が広がり、ユウバリリンドウやカトウハコベなどの特殊な高山植物もあり、「一粒で二度美味しい」山である(1)(登山口へ向かうパンケヌーシ林道から撮影)。

 山名の由来は千呂露川の源流部に位置することに因るが、チロロの意味は良く分かっていないらしい。

 この山は、パンケヌーシ川曲り沢を源頭まで詰めて、尾根を乗越して、二の沢へ下り、さらに源頭まで詰めるという珍しい登山コースの山である。変化に富み好きな山だが、96年に登り、05年に二ノ沢合流地点までの登山道整備作業のお手伝いして以来ずっと遠のいていた。

 

日高道の駅で夜を明かし、パンケヌーシ林道を進む。いつ走っても快適な林道だ。登山口へ着いたら、ひとりの男性が登る用意をしていた。この山は初めてだというので、一緒に登ることにした。伊達のNaさんという方で、七飯町大沼公園出身だという。共通の知人もいた。同じ名前の貸し自転車屋さんがあったので聞いたら、そこが実家で兄が経営していたそうだ。拙筆による道新連載の「ほっかいどう山楽紀行」愛読者だという。こちらの名前まで知っていた。
 
 沢歩きと上の雪渓歩きに備えてスパイク長靴だが、Naさんは登山靴しかないので、行けるところまで行くという。自分も前回登山靴で登っているので大丈夫だろう。

 登山口から(2)ゲートを抜け、北電の管理道路を進む。途中の道路も最近の大雨で崩壊したようで、新しく造り直されていた。20分ほどで取水ダムに到着(3)


 その先は、沢の中の踏み跡を辿ることになるが、前回2回登ったときに比べて、非常に荒れているのに驚いた。ここ数年、日高の沢へ入る度にそのことを実感する。最近多いゲリラ豪雨的な雨が多いからであろう。幸い好天が続いてせいか、水量は思ったより少なく、登山靴でもなんとか渡渉できそうだった。ルートファンディングの楽しみもあるが、渡渉地点には赤いテープがぶら下がっているので助かる。徐々に傾斜を増してくる。こんなに斜度のキツイ沢だったかとの想いを新たにする。小滝も現れて、高巻きやへつりなど繰り返す変化に富んだ沢登りで疲れを感じる暇がない(4)途中の1050の下二股も、1140の上二股も赤いテープに導かれて右へ進む(5)


 さらに斜度を増し、岩盤の上を流れる急な沢となる(6)。振り返ると、林道を挟んで聳えるこれも2回登っているペンケヌーシ岳(7)やがて、水流が少なくなり、涸れ沢となる。
 

 源頭地形の先に続く笹藪の中に続く登山道を辿ると、尾根乗越しに到着(8)この前後は、8年前に登山道の笹刈りを手伝った懐かしいところだ。今年も笹刈りがされているような感じだった。明るく開放的二ノ沢へ下り立つと、前回同様、すぐに長い雪渓歩きとなる(9)


 雪渓を抜けると、源頭付近はシナノキンバイ(ヒダカキンバイ?)を中心としたお花畑が広がる(10)。左手には、一面ハイマツで覆われた本峰が見える(11)


 まずは、本峰を目指す。西峰との分岐を過ぎて登っていくと、裸地になったコルへ出る。南には主稜線上の左から雲の懸かったピパイロ岳〜1967峰〜北戸蔦別岳〜幌尻岳の連なりが見える。Naさんは昨日kの北戸蔦別岳を日帰りで登ってきたと言って喜んでいた(12)低いハイマツを掻き分けながら本峰へ登っていく。全く花のない山だが、手前のニセピーク付近にはチシマギキョウの群生があった(12)


 17年ぶりの頂上に立つ。当時の味のある手彫りの頂上標識は新しくなっていた(13)ここの三角点は二等で点名は千呂露岳である。周りの展望を楽しみながら昼食タイムとして30分ほど休む。次に、薄茶色のかんらん岩を露出させた西峰を目指して、下山開始(14) 


 コルから下って、分岐から西峰へ向かう。相変わらず熊の掘り返しが多い花畑だ。前回は踏み跡がはっきりしなくて、熊の掘り返し部分を繋いで登ったが、17年も経っているせいか踏み跡がしっかりしていた(15)。大きな岩をよじ登ると(16)緩やかな尾根となる。その道の両側にも花畑が展開しする。本峰とは全く違う景観だ。Naさんは「一人だったら本峰だけで帰ったと思います。山としてはこちらの方がずっと楽しい。凄く儲けものをしました」と感激していた

途中で、このかんらん岩の山ならではのムシトリスミレも目にした(17)

 岩の露出した西峰頂上で15分ほど休み、先ほどまでいた本峰を眺めて下山開始(18)

 Naさんが「これまで登った沢ルートで、もっとも斜度がきつくて荒れた沢だった」と言う。慎重に渡渉を繰り返して、無事に下山
 
 前回と同じコースだったが、前回は本峰までの登り時間と西峰に寄って下山した時間が、共に3時間15分だった。今回は、どちらも同じ3時間45分だった。偶然とはいえ、これもおもしろかった。

 帰路に就くというNaさんと登山口で別れて、日高沙流川温泉ひだか高原山荘へ。   



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