千走川本流〜狩場山(1519.9m)H
4:45 車デポ地点発
登山 | 地 点 | 下山 |
4:50
8:55
9:40
10:25 |
登山口(入渓)
真駒内コース夏道
新道コース分岐
頂 上 |
12:45
---
11:20
10:40 |
[5:35] | 所要時間 | [2:05] |
13:30 千走川温泉(入浴)
17:50 帰宅
|
せたな町と島牧村にまたがる一等三角点(点名「狩場岳」)の山。これまでに積雪期に登っているフモンナイ岳、東狩場山、オコツナイ岳などを従えた狩場山地の主峰で、道南の最高峰でもある。山名は、アイヌ語のカリンパ・ウシ・ヌプリ(桜・群生する・山) に因る。
過去、廃道になった旧道コースも含め、登山道の全コースから8回登頂している山だ。今回は、沢のスペシャリストganさんをリーダーとするHYMLオフミの千走川本流の計画に加えてもらった。メンバーは、札幌のヨコさんと山歩さん、小樽のカトちゃん、室蘭の山ジイに自分の6名。ヨコさんと山歩さんとは初同行だった。
前夜のうちに登山口手前の駐車スペースにテントを張って盛り上がっている豪華な宴に合流。そこへ、大平山から下山してきた札幌のオトーちゃんと根室のエミちゃんが合流して、さらに盛り上がる。それでも、20:30にはお開きにして、自分はいつもの車中泊。
3:30にはみんな起きだして朝食タイムに入っている。
4:50、オトーちゃんとエミちゃんに見送られて登山口のすぐ上の小沢を下って入渓(1)。
入渓地点には深くて大きな釜があり、その先はナメ滝が続いている(2)。評判通りの広く明るい沢でナメの沢床、釜、滝が続く。特に今年は小さな沢しかやっていないので非常に気持ちが良い。
10分ほどして、深い釜を持った10m滝にぶつかる(3)。ヨコさんが左の流れに、山ジイが右の草の生えた崖に取り付く。結局ヨコさんが突破して、上からロープを出してくれた。
ヨコさんのロープのお陰で、ここは全員直登できた(4)。さらに深い釜が続き、へつって遡って行く。
やがて、730の2段10mほどの滝に到着。ここは泳がないと滝に取り付けないと聞いていたので、迷わず、右の大岩に取り付き(5)、その尾根を登り、大きく高巻いて滝の上に下り立った。ちょうどみんなが泳いで釜を渡り、滝を登り終えたところだった。
さらにそのすぐ先に、滝の落差は小さいがやはり深い釜をもった滝が現れる(6)。ここは右からへつって突破したが、ganさんとヨコさんは泳いで釜を突破して滝を登って来た(7)。
その後も、小さな釜や小さな滝が続く。流木が少なく荒れた感じもなく、とても美しい渓相である。
750で深い釜と奥に5mのゴルジュ滝をもつ難所に来た。ここは自分を先頭に4名は左から高巻いたが、ganさんとヨコさんはその狭くて深い釜を泳いで突破を図った。山ジイがロープを出して2人を他のメンバーで引き上げた(8)。
さらに、そのすぐ先でやはり深い釜を持った細い滝が現れる。ここは股下までの深さだったので、自分もそのまま直登できた(9)。その上にも左岸の垂直に近い壁を笹を頼りによじ登って高巻く場面もあった。それを越えると、もう深い釜をもった顕著な滝は見られなくなり、しばらくははゴーロ帯となる。それでもすっきりとした遡行ができる。
870で30mのナメが現れ、気持ちよく登る(11)。その先はしばらく快適なナメが続き、太陽光線を浴びてキラキラ輝く様が美しい(12)。
970でジグザクの5m滝の下は、そこを通ってくださいと言わんばかりの幅30cmのバンドが走る(13)。この辺りから、板状の岩盤を重ねたようなこれまでと違った渓相となる。これも楽しく、この沢の魅力とも言えるだろう(14)。
1060の二股で、水量の多い方の沢へ進んだ。しかし、10分ほど進んでGPSを見たら、予定の本筋から東へずれていることに気付く。そのまま進んでも、斜度がきつくなり、薮に突入しそうな感じだ。そこで、戻ることにした。間違った場所へ戻って地図と地形を合わせて確認したら、実質的な四つ股になっていた。結局、3つ目の沢を登って行く。まもなく大きな岩の続く涸れ沢となるが、沢筋は広くてずっと続いている。ところどころで地図で確認できない小沢が合流するが、GPSで確認しながら登って行く。
やがて、沢の先に頂上稜線の1303ピークが見えてくる。休憩時に沢装備の集合写真を撮る(15)。沢筋を忠実に辿って行くと、源頭部には広々とした花畑が広がっている。全員歓声を上げる。笹薮の下に合流する真駒内コースの道筋も見えている(16)。花を愛でながら花畑の中の沢筋を登って真駒内コースの登山道に合流した。
源頭部に咲いていた花々
ミヤマキンバイ |
フギレオオバキスミレ |
ベニバナイチゴ |
ヨツバシオガマ |
シナノキンバイ |
エゾカンゾウ |
ここまでで実質的な木的な沢登りは終了なので、沢装備を解き、靴をトレランシューズに履き替えてのんびりとくつろぐ(17)。しかし、ヨコさんと山歩さんが狩場山は未踏だとのことで、全員でお付き合いをすることにした。
8合目下の新道コースの分岐に荷物を置いて、ほぼ空身状態で頂上を目指す。
下には新道コースの登山道と、まだ雪渓の残る第一雪田も見えている(18)。
南狩場の手前からそのピークと左奥に目指す頂上が見える(19)。広々とした稜線をのんびり歩いて、分岐から45分で頂上に到着。頂上には、3組ほどの登山者がいた。
山頂の「事比羅神社」の鳥居の周りで記念撮影(20)。
大平山、長万部岳、利別岳、カニカン岳方面はくっきりと見えているが、カスべ岳とメップ岳が雲間からときおり覗くだけで、遊楽部山塊は見えなかった。
戻る途中、南狩場のピークから須築川を覗く。この川は「日本百名谷」の一つに数えらているが、その美しさはともかくゴルジュ、釜、淵、廊下や滝が連続し泳ぎとシビアな登攀が要求される道内屈指の難しい沢として有名である。沢のエキスパートのganさんもまだ遡ったことがないという(21)。
2時間ほどで、登山口に到着。沢靴のままのメンバーは入渓地点の釜へ下りて、泳ぎを楽しむ。こちらは橋の上からそれを眺めているだけで十分涼しくなった(22)。
千走川温泉に入浴して、他のメンバーと別れて、帰路に就いた。