磐石岳(496.4m)北東面直登沢<沢登り>
7:20 自宅発
8:40 盤石岳林道入口奧
登山 | 地 点 |
9:00
9:10
10:35
11:20
12:00 |
落部川本流
北東面直登沢出合い
200二股
320二股
頂 上 |
[3:00] | 所要時間 |
下山 | 地点 |
12:30
12:45
13:05
14:00 |
頂上
送電線管理道
磐石岳林道
車デポ地点 |
[1:30] | 所要時間 |
14:20 盤石温泉(入浴)
16:00 帰宅
|
今時期、これ以上の暖かさはないだろうと思われる最高の天候に恵まれ、SHOさんと今春釧路から転勤してきたタニさんの同行を得て、今年度の沢納めとして、八雲町の磐石岳北東面直登沢を遡ってきた。
わずか半月ほど前に、30分で北面直登沢から登ったばかりの山だったが、こちらの沢は距離も標高差もあり、地図で見ても険しい感じである。
実は、先週末に沢のスペシャリストである札幌のganさんからこの沢のお誘いを受けたが、所用のため参加できなかった。しかし、多くの巨岩とナメが楽しかったという報告を読んで、今年の沢納めとしてぜひ遡ってみたかった。そこで、お二人を誘っての実現となった。
八雲町落部から八雲厚沢部線(道々67号線)を進み、盤石岳林道へ入る。直ぐの橋を渡って100mほどの所に車を置いてスタート。
まずは、落部川本流へと下りる。突然、バシャバシャという音に驚かされる。遡上してきたサケがうようよいて、こちらが一歩歩く度にバシャバシャと逃げ回る(1)。
まもなく、真っ白な岩壁が剥き出して続く地点で、これから遡る北東面直登沢との合流点へ到着。えっ?と驚くほど水量は少ない(2)。
進んでいくと直ぐに、見上げるような高さの砂防ダム(3↓)。タニさんと私は左側手前の高度感のある細い尾根から高巻き、SHOさんは堰堤のそばの急斜面を登って越える。
砂防ダムを越えて直ぐに、3つの釜を抱いた上が2m下が8mほどののっぺりとした2段の滝にぶつかる(4)。SHOさんは直登を試みるが、とても登れそうもない自分は、その結果を確認しないうちに、さっさと右手前から高巻きへ。結局2人も直登を諦めて後から続いてきた。かなり上まで登って、微妙な急な崖を慎重に下り、再び沢へ下りる。20分を要しての大高巻きに汗を流した。
次に現れたのが、50mほど続くナメと二つの甌穴状の小さな釜が2個(5)。次々と休む暇のない変化が楽しい。記録を残してくれたganさんの「この時点で、ああ来て良かったなと素直に思う」を実感する。
この先から、沢を遮ったり、塞いだりするような巨岩が次々と現れる。まず最初は、ここまで流されて来たのか上から転がって来たのか分からないが、1個だけのゴロンとした丸い3mほどの岩だった(6)。
その後も、次々と現れる巨岩を胎内潜りのように潜ったり、かわしたりと忙しい・・・しかし、この変化が実に楽しく、冒険心を大いに満足させてくれる(7,8)
この巨岩に覆われた沢を抱く山の名前が、まさに「重く大きな石」を表す「磐石」にピッタリで、この山名を付けた人はこの沢を登ったのではないかとさえ思ってしまう。
次々と現れる巨岩に夢中になって、休むことさえ忘れていた。休憩してふと上を見上げると、急な崖に挟まれた深い谷であることを実感(9)。これらの巨岩は崖が形成される段階で、上から転げ落ちてきたものと思われる。この反対側も同じような崖状である。2年前の冬に、SHOさん他4名で、その上に続く細い尾根から頂上を目指し、怖い思いをしたことを思い出す。そのときは気付かなかったが、直ぐ下にこんなに深い谷があったなどとは思いもしなかった。
この先も、巨岩帯は続く。積み重なった岩の上から滝となって流れ落ちるところもある(10)。やがて、200二股に到着。ここは、左へ進む。この辺りから巨岩はなくなってくるが、ここまででざっと30個以上はあったのではないかと思われる。220付近で、10mほどの樋状のミニゴルジュが2本現れ、その中を登っていく(11)
ミニゴルジュを越えた先には、落ち葉に彩られたみごとなナメが200mほども続いていた。まったく退屈する暇がない変化がうれしい(12)。
300付近で、2段の滝にぶつかる。上の滝が厳しそうだ(13)。ここも直登トライを試みる2人を差し置いて、右側手前からさっさと高巻きに入る。ここには、先週末に登ったganさんグループの痕跡が残っていた。結局、2人も直登を諦めて後に続いてきた。ここも地形の関係で、かなり上まで登り、足場の乏しい崖状のところを慎重に下らなくてはならなかった。下りでは、SHOさんに先に下ってもらった。最後の沢に下り立つ上では木にロープを結んでくれた。最後に下りてきたタニさんはもっと上の方で自分でロープを木に掛けて下りてきた。
320付近で二股が続いて現れる。上の二股はそのまま進みたくなるが、ここは直角に曲がる左へ進む。
ぐんと水量が少なくなって、沢幅が狭くなってくる(14)。390付近で、源頭を迎え、それから先は一番若いタニさんがトップで笹藪へと突入。
背丈は3m以上もあるが、幸いネマガリ状の太い笹ではなかったので、それほど苦労ではなかった。沢型をそのまま進めば良かったが、少し右へ逸れた。トラバースするのは歩きづらいので、そのまま微かな尾根状の斜面を真っ直ぐ登った。途中でトップを変わったSHOさんが指を切ったが、幸いカットバンで巻いただけで止血でき、ホッとする。最後は、自分がトップで頂上を目指す。
頂上の刈りはらいの見えたところで、初登頂のタニさんにトップを譲って3回目の頂上へ到着(15)。ちょうど、3時間で12時だった。
この時期、ゆっくりと昼食を摂っていても全く寒さを感じないのが凄い。遡行しているときも寒さを感じることはなかった。半月振りではあるが、
落部市街地(16)や
駒ヶ岳(17)など頂上からの展望を楽しむ。
やはり先週末、ganさんたちの到着前に、自分が10/19に下ったコースから登ったSHOさんによると、「ここの三角点標識は新しい物と設置替えがされたのではないかと」のこと・・・確かに、標石は新しく、そばに、古いものを掘り出したと思われる穴もあった。
そのために、ここまで刈り払いがされたのかも知れない。今年の7月に今回の沢から登ったスガちゃんによると、そのときは刈り払いがなかったという・・・ということは、自分が登った10/19までの間にこの作業がされたのであろう。
30分ほど休憩して、前回見つけた南尾根の苅分道を辿り、
送電線下の管理道を南へ下る(18)。高度を下げてくると、カエデ類の紅葉が美しい(19)。
頂上から35分で盤石岳林道へ出る。あとはのんびりと1時間弱の林道歩きでゴールイン。
当然、秘湯・盤石温泉は外すことはできない。ここでものんびりして、帰路に就く。
昨年の沢納めでは、下りの滝で根の浮いた笹を掴んで滑落し、むち打ち症を患い、スキーシーズンを棒に振っただけに、今回は慎重に歩いたつもりだった。
この時期らしくない最高の天候に恵まれた、予想以上の楽しい沢であったこと、これまで日高の山では6回も会ったことのあるタニさんとの初同行など、大満足の沢納めであった。