○うれしい出会いが待っていた熊ヶ岳
 シールを剥がすのが面倒なので、そのまま熊ヶ岳とのコルへ下って登り返す。先行の男性は、シールを貼るのが面倒なので、旭岳からのずっとシールを剥がしたままだと言う。当然、登りはシールを付けた自分の方が速いので、追い越すことに・・・。

 会話のプロセスで、「どちらからいらしたのですか?」と聞かれる。「函館からです」と答える。「もしかしたら坂口さんではないですか?いつもHP拝見しています。」とのこと。旭川の方で、感激の初対面だった。

 
 こちらが先に頂稜の南側から頂上を目指すつもりでその尾根頭に登る。稜線は細い上に雪庇が不安定である(11)スキーをデポして歩き始めたが、怖いので戻って躊躇していると、旭川の男性は、下をトラバースして反対側から登るとのこと。

 5人グループもやってきたので、聞くと、やはり反対側から登るとのこと。スキーを着けて、彼等の後を追う(12)。結果的に一番最後の登頂となった。

 ガイドと話をしていると、それを聞いた女性メンバーが「坂口さんですか?一人歩きのHPの方ですよね。以前、高山さんに太櫓岳に連れて行ってもらったときにお会いしましたよ。HPもいつも拝見しています。」とのこと・・・ここでも、拙サイトの愛読者との感激の再会が待っていた。
 こちらが昼食を摂って休んでいるうちに、全員シールを外して(13)、元気に滑り降りていった。一人になって昼食を摂り、シール剥がして滑り出す。

 2つほどターンしたら、雪面に落とし物を発見。拾いに上がったら携帯電話だった。拾って、コルまで滑り降りる。シールの張り替えで、まだ6人ともコルにいた。それは、旭川の男性のものだった。落としたことに気付いて取りに戻るかどうか迷っていたそうだ。

 その後、最後の登りとなるシュプールのたくさん付いた裏旭の大斜面の最後の登りに付く(14)40分ほどの忍耐の末、再び旭岳頂上。ずっとスカッ晴れのままで無風というのは1年間に何度あるだろうか?


○地獄谷の大滑降
 当初は反対側の尾根を滑り降りるつもりいたのだが、朝の登りで、地獄谷の中にたくさんのシュプールが付いているの見る。まさか、ここを滑ることができるなどと考えたいなかったので、楽しみにしていたのだった。

 頂上から少し北側に下ると、雪庇の切れ目がある。そこから壁のような斜面に下り立つ。上は急なので、慎重にターンをする。眼下には噴火口が待っている(15)

 雪の解け具合はちょうど良く、非常に滑りやすく気持ちの良いターンを刻むことができる。上の方は南斜面を滑り降りる。崖のそばは崩れ落ちた石があちこちに顔を出しているのが気になる。それらをかわしながら滑る。やがて、谷底へと下り、雪付きの良い北斜面へと移っていく。滑っても滑ってもなかなか下に着かないロング滑降を楽しむ。上を振り向くと、旭川の男性も滑り降りてくる。非常に上手な滑りだ(16)

 彼は、尾根を乗り越して盤の沢へ滑り降りると言う。どういうところか良く判らないので、そこでお別れの挨拶をして、そのまま噴火口の方へ滑り降りる。

 周りの雪が硫黄で黄色く彩られた噴気孔をそばから眺め(17)それらを縫うように続くシュプールを追う。姿見の池は解けかかっているので、その右側から高見を通過し、そのまま姿見駅を目指す。

 振り返って、改めて滑り降りた地獄谷を見上げる(18)(赤いラインが滑り降りたところ))。標高差600mほどしかないのに、ずいぶんと長く滑った感じがする。

 あとは、のんびりとゲレンデの中を下り、駐車場へ。駐車場に着いたら、すでに旭川の男性が靴を脱いでいた。「無理にでもお誘いすれば良かったですね」と言われる。次回の楽しみに取っておくつもりだ。再会を期して、彼と別れる。ちなみに、翌日、その男性からブログへのお礼のコメントとメールをいただく。Taさんという方だった。

 評判の良い湧駒荘で入浴して、旭川まで出る。先に夕食を摂って、高速へ。ETCの1000円割引利用で八雲まで走るが、疲れと睡魔で、山に登っているときよりこの運転が一番辛かった。途中休み休み走ったので、帰宅したのは予定より1時間遅れの23:15だった。

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