幌内岳(453.6m)<厚沢部町> 
<幌内川林道〜北東尾根>  3名  12、5,13
昨年初冬に登った五郎助山から東隣に聳える姿を眺めて以来の計画が、今年最初の藪山登山となった

8:30 函館発
登り
地 点
下り
 9:50
10:10
11:40
幌内川林道崖崩れ手前
幌内川作業道分岐
頂   上
13:15
12:55
12:05
[1:50]所要時間[1:10]

14:00 せせらぎ温泉(入浴)

 厚沢部町当路地区を流れる厚沢部川支流の幌内川の源流部に位置する藪山である。 山名はこの川名に因るものと思われる。アイヌ語の「ホロ・ナイ」は(大きな・川の意)であるが、決して大きな川ではないのだが・・・。

 昨年の初冬にTaoさんとSHOさんと3人で登った隣の五郎助山からこの山を眺めて以来の計画が、同じメンバーでの今年の初藪山登山として叶った。

 森林と地質の専門家Taoさんによると、昔のこの辺りの山は、檜山の語源になるほどヒバ(ヒノキアスナロ)に覆われた山だったそうだ。確かに、まだ残っているヒバと地面を覆う多くの若木にその名残を実感することができた。

実は、この山は前日に登る予定だったが、現地へ来たら雨が降っていた。仕方ないので、林道の下見だけをして戻り、翌日出直したのだった。

 幌内川林道を進むと、町有林と国有林との境界付近に、「トドマツ-ヒバ複層林展示林」という表示板が立ち(2)、そのそばにはトドマツとその下に育っているヒバ若木の明るい林が広がっていた(3)

 これは、Taoさんが厚沢部町役場に2年間出向していたときに関わった仕事の一つだとのこと。その看板に書かれている文章自体も氏によるものらしいが、その思い出話しを聞いて、こちらまで18年前の懐かしい思いに感激させられた。ちなみに、この苗木は下北までトラックで出掛けて買ってきたものとのこと。そして、現在、この試験設定時の設計にしたがって受光調整の施業が展開されていたことがうれしかったようだ。

 ちなみに、この表示板と氏の説明のよると、下記のような意図とのこと・・・
ヒバが自生する厚沢部町は、ヒバの森の拡大を願いヒバ植林の技術の定着のために、ここに展示林を設定した。ヒパの椎樹時代は強い光を嫌い、樹下でゆっくり育つ樹種特性がある。幼樹時代になると、全天の光を利用して、どんどん成長をはじめる。このため、上木のトドマツに太陽の強さを制御させる「ヒバの樹下植栽」の方法を試みている。

 

 そんなTaoさんの説明を聞いて、さらに奥まで車を進める。前日の下見で、崖崩れ箇所が分かっていたので、その手前に車を置いてスタート。その崖崩れのすぐ手前の細くて急な滑滝状のところで、ゴミムシの棲息調査をしている男性に出会う。いろいろな専門分野があるものだと感心しながら林道を奥へ進む。

 やがて、幌内作業道との分岐に到着(4)Taoさん持参の森林経営図?によると、この作業道は、頂上へ向かう北東尾根の途中まで延びているとのこと。

 その沢沿いの作業道から尾根に上がり、ショートカット気味に途中から藪尾根を漕ぐ。その尾根にはヒバの若木がたくさん育っていた(5)ずいぶん多くの檜山管内の山に登ったが、これほどヒバの山の面影を残している山も珍しい。


 その後、一度作業道跡に出るが、その終点から再び藪尾根に入る。そこには、ヒバの伐採跡の切り株があちこちに残っている。これは1980年代の伐採跡らしい(6)。その尾根から沢を一本挟んだ斜面には、伐採から逃れたであろうヒバ林が見える(7)


 頂上近くになると斜度が緩み、柔らかな新緑に身も心も染まりそうなブナ林の斜面に出る。「年齢を加えるごとにこのような情景の美しさが増すのはなぜ?」と自問自答しながら、林を眺めるTaoさん姿に風格が漂う(8)

















 頂上直下は非常に急な笹藪斜面となる。笹藪を掻き分けながらようやく頂上に到着。なんとそこには赤布とピンクテープがそれぞれ別々の木に結ばれていた。こんな藪山なのに、少なくとも我々以外にも物好きな輩が複数いたという事実に驚く(9)。「さて、三角点は?」と思ったら、探すまでもなく、頭を出した三等三角点(点名・幌内)があっさりと見つかった(10)。その周りをきれいに刈り払ってその前で記念撮影(11)


 頂上は樹林で囲まれていてほとんど展望が利かないのが残念・・・唯一の展望は、鶉地区と館地区の田園風景のみ(12)。下り初めて、ようやく3人で昨年11月下旬に登ってこの山への登行意欲を掻き立てられた五郎助山が見えた(13)

 下山は、終点からはずっと作業道跡を辿ったが、途中で別のそれに入ってしまったらしい。その先でその道が消えてしまった。GPSのログを頼りに藪を漕いで登りのルートへ戻り、下山を続けた。Taoさんの地図のお陰で、作業道跡を上手く利用しての効率よい今年初の藪山登山だった。 

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