アポイ岳(810m)B  
[冬島コース]  単独 12,10,26
94,6,5の「アポイ岳〜ピンネシリ」
 04,5,12の「やや早すぎた花鑑賞」へ 
 晩秋の頃の山の様子が知りたくて、8年ぶり3回目の登頂へ

5:00 新冠道の駅発
登山地点下山
6:40
7:40
8:45
登山口(冬島)
休憩小屋(5合目)
アポイ岳
10:40
 9:40
 8:55
[2:05]所要時間[1:45]
幌満峡へ

12:00 アポイ山荘(入浴)(車中泊)
  この山は、日高山脈の最南端の西海岸に位置する山で、稜線上に連なる吉田岳やピンネシリを含めアポイ山塊と呼ばれている。とくに、海岸からわずか4kmのところにあり海からの濃霧とカンラン岩という特殊岩質の影響で、80種以上の貴重な高山植物が確認され、世界中ではここでしか見られない固有植物も多数ある。この高山植物の群落は、昭和27年に国の特別天延記念物に指定されて、「花の百名山」としても名高い。

  山名の由来は、アイヌ語で、「アペ・オ・イ(火のたくさんあるところ〜昔、鹿が捕れるように神に祈るために火をたいたこと)」に因る。今でも、この由来を生かし、アポイの火祭りが行われている。

 本日の予定だったピセナイ山へは昨日の午後に登ってしまったので、予定が1日空いてしまった。そこで、花の時期にしか登ったことのないアポイ岳に登ることにした。

 登山口まで来たら(1)ビジターセンターの解体工事が行われていた。全面改修されるらしい。来るたびに「アポイ山麓ファミリーパーク」公園としての整備が進んでいるような感じだ。


 本格的な登山道になるのが尾根に乗る5合目だ。それまでの林の中の道がやたらと長い感じがする。道沿いに、前回の時とは違った自然保護を訴える地元の子供たちの標語が立てられている(2〜5)それを読みながらのんびり歩く。前回のときにとても印象に残った「アポイの花はアポイだけ」はもうなかった・・・残念!。ところどころに熊よけの鐘がぶら下げられているので、それも鳴らしてみる(6)


 モミジやカエデ類の紅葉も例年より遅れてはいるが、ちょうど見頃な感じだ(7)。やがて、避難小屋の建つ5合目に到着。谷間の紅葉がきれいだが、頂上にはときおり雲が懸かる(8)


 春や夏はここからが花の見どころだ。しかし、この時期は、それらの花も枯れたり紅葉したりと、どれがどの花なのかよく分からない。当初はピンネシリまでピストン縦走するつもりだったが、そのピンネシリはずっと雲に覆われたままだった(9)そこで、アポイ岳だけで戻ることにして、のんびり歩を進める。これまでの2回は花の頃なので、花に気を取られて、あまり気にならなかったが、馬の背から頂上までの間は結構ハードな岩尾根の急登が続く。これが新鮮な驚きだった(10)


 頂上直下から振り返ると、馬の背の向こうに太平洋の海岸線が見える。様似市街地で海に飛び出ているのが、陸繋島のエンルム岬(11)。アイヌ語のエンルムは「en(突き出ている)+rum(頭)」で、えりもという地名の語源にもなっている。やがて、誰もいない頂上へ到着。過去2回は賑やかな頂上だったが・・・。ときおりガスで覆われて、残念ながら明日と明後日の予定の天狗岳や二観別岳、昨日登ってこちらが見えたオキシマップ山などは見えないのが残念。

 誰にも会うことはないと思っていたが下りで、二人の単独行の男性に出会った。下山しても、まだ10:40だったので、紅葉の名所幌満峡へ。

○紅葉の名所幌満峡へ

 アポイ岳の南側を流れる幌満川沿いの渓谷である。ここは紅葉の名所として名高い。たしかに、谷間は色とりどりのまさに錦繍そのものだった。なお、この幌満峡は、「幌満かんらん岩体」からできていて、新鮮なマントル物質を地上に居ながら観察できるという点で世界的にも大変貴重なものらしい。道沿いのあちこちに「アポイ岳ジオパーク」関連の説明板が設置されていた。



 幌満ダムまで入ったみた。ダムの向こうに広尾岳が見えた。登ったときが懐かしい。その先に様似へ抜ける「様似大泉林道」が続いていたので、そのまま進む。峠にあるピンネシリ登山口で「ガンビの神様」の棒杭が立っていた。ちなみに、この由来については、「エンルム岬の歴史と自然2」に詳しい。

  「様似大泉林道」はとても走りやすい立派な林道だ。途中でアポイ山荘へと続く「アポイ新富線」へ入る。これがまた全面舗装の立派な林道で驚いた。11kmもの距離があった。こんなことを書いたら地元の方に叱られそうだが、年間何台の車が通るのか知れない感じの道で、税金の無駄遣いの感がなくもない・・・・。

 12:00過ぎからアポイ山荘で入浴し、ブログを打って、あとは、本を読んでのんびりと過ごした。生ビールと天丼で早めの夕食にしたが、その後、地元の人たちが食べている甘エビの唐揚げの匂いが堪らず、それを注文して、2杯目の生ビール。ざっと40匹くらいはあり、食べ応え十分だった。その後、再び入浴して、駐車場で車中泊。


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