[38]雌阿寒岳(1499m) 〜[39]阿寒富士(1476m) [オンネトーコース]
94,8,6 (土)天候・晴れ
ガスで覆われた頂上が嘘のように晴れ、活火山の荒々しい全貌を堪能する。
 
8/5 12:00 自宅発(八雲)
  19:30 オンネトーキャンプ場
            (テント泊)
8/6
登山地点下山
4:30
5:20

6:10
登山口
樹林限界
阿寒富士
雌阿寒岳
8:30
7:50
7:10
6:30
[1:40]所要時間[2:00]
雄阿寒岳登山口へ移動

根張りの道を行く 今回の山行は、中標津の養老牛温泉で、昔の長期研修時代の仲間の集いがあるのを軸に、夏休みを利用しての「道東の山」、雌阿寒、阿寒富士、雄阿寒、斜里、羅臼から硫黄への縦走の4泊5日の計画である。
 
 最初の日は、雌阿寒岳で朝食,阿寒富士に寄り、移動して雄阿寒岳で昼食と、一日で阿寒3山登覇の予定で、夜を明かしたオンネトーキャンプ場の駐車場の登山口から出発。

  直ぐに針葉樹林の道となり、根張りが階段状になり、歩きやすい。林床の植物が密生しておらず、日本庭園風の景観が続く(1)。北海道の山で最後までササが生えていなかったのはこの山が初めてでなかろうか。修学旅行(かなり昔の話だが)で歩いた京都か奈良の山道を歩いているような錯覚に陥るような雰囲気である。
ガスから姿を現わした阿寒富士
 樹林限界に出るとまず阿寒富士のまさにコニーデといった端正な姿が目に入ってくる。頂上付近にガスが懸かり始める。 下の方には、一日に何度も色を変えるというオンネトーの青い色が神秘的に見える。

 7合目辺りになると、阿寒富士を覆い始めたガスが強風に煽られて雌阿寒の方にも押し寄せてくる。あっというまに、ガスに囲まれてし視界が益々利かなくなる。踏み跡以外に何も見えない、踏み跡と、火口側に張られているロープを頼りにただ上を目指し、立派な標識だけが立つ誰もいない頂上に着く。
火口の底の青沼
  完全に諦め、簡単な朝食をとって下山しようと覚悟を決め腰を下ろして食べ始めたら、ガスがあっという間に晴れ、すざましい迫力の火口、荒々しい阿寒富士の山肌(2)、深い火口、もうもうと吹き上げる噴煙、阿寒湖側中マチネシリ火口とマチネシリの鋭い岩峰、そして、その向こうに、頂上に雲を被った雄阿寒・・・目隠しを取られたような天候のいたずらに感激しながら、それらの展望を楽しむ(3)火口の底に可愛い真ん丸の青沼とそれよりやや大きめの赤沼が見える。本当に名前通りの色である(4)
ガスが晴れたばかりの阿寒湖方面の眺め
 食事後、火口の稜線を奥の方まで歩いてみる。活火山特有の景観を満喫した後、端正な形の阿寒富士を目指し、コル目掛けて、火山礫の踏み跡をずれ落ちるように下る。コルから見上げると首が痛くなるような急斜面であるが、30分位と予想して、はっきりと着いている踏み跡と登り始める。途中リュックを置いてカメラだけを持って登頂。振り返ると、バックリと口を開けた雌阿寒岳のポンマチネシリ火口が雄大に見える(5)。山肌は火山礫で覆われ、メアカンキンバイはもう花が終り、メアカンブスマとイワブクロが最後の花を付けているという状態である。
阿寒富士からの雌阿寒岳の火口
 阿寒富士の頂上は、遠くから見ると端正なコニーデ型であるが、東斜面は浸蝕が進み、深い谷になっていて覗き込むのが怖いくらいである。大雪連峰や東大雪の山々の展望を楽しみ、急斜面を滑り落ちるように下る。

 庭園風の針葉樹林の根張りの道を楽しみ、登ってくる人々と挨拶を交わしながら下山し、靴だけを脱いで、雄阿寒岳の登山口を目指して車を走らせる。


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