登山 | 地点 | 下山 |
7:10
8:40
9:30
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11:00 |
車デポ地点
330m地点
源頭尾根(650m)
(帰り・昼食)
頂 上 |
13:25
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12:30
12:05
11:30 |
[3:50] | 所要時間(除く、昼食) | [1:30] |
14:00 998(入浴)
19:30 帰宅
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この山はsaijhoさんに誘われて初めてその存在に気づいた1000mちょうどの積丹半島第5峰である。
地図には山名も載っていないが、神恵内村の海岸線の赤石という集落の名前がその由来になっているらしい。前日登った珊内岳から屏風山を経由して南に延びる稜線上に1000mのコンタがくるっと円を描いた山頂があり、そのすぐ南に998.7mの三角点があるという不思議な山である(1)。
saijhoさんの説明によると、この「赤石山」が記録に見えるのは、今は絶版になっている『北の山脈』bR4(北海道撮影社)の「≪積丹山群≫ 未踏の沢を求めて(1)」のいずれも沢からのアプローチの記録らしい。この山に私たちは山スキーで挑戦である。『ガイドブックにない北海道の山50』の著者・八谷和彦氏がこの3月15日に登ったルート情報を西條さんが入手し、彼も初めて登る山である。昨日の珊内岳へのアプローチと同じ林道の手前の地図上の駒吉沢という地名附近から604ピーク経由する尾根に乗り、そのまま頂上へ続く緩やかな尾根を辿るルートである。
前日、珊内岳を下山して夜を明かした神恵内温泉998の駐車場を同じ7人のメンバーで、6時45分頃出発し、昨日の珊内岳と同じ大川林道へ入り、あらかじめGPSに入れて置いたルートのスタート地点に一番近い駐車スペースを見つけ、そこに車をデポする。
そこから大川林道を300mほど奥へ入り、沢沿いに入り、すぐに左側の平坦な高台に登り、沢地形の右側に沿って登っていく。すると、地図上にも記載されている建物がある。そこはトドマツ林の管理小屋であるらしく、伐採作業の機械が置かれている。そのそばを通り、604ピークの尾根の末端を目指して少しずつ登って行く。
604ピークへの稜線は地図上からでは予想も付かないほどの荒々しさで南側に急崖を巡らせ、途中に雄鉾岳の西峰を思わせるような鋭い岩峰まで聳えている(2)。しかし、その裏側の方を巻いて、ジグを切って急な尾根に取り付き、尾根に乗った標高330m地点で休憩を入れる。
そこからはしばらく尾根を進み、岩峰の西斜面をトラバースして行くと、左側から沢地形が迫ってくる。その浅い沢地形をずっと地図上で辿るとその源頭が604ピークの上で頂上から延びる尾根にぶつかるので、604ピークをかわして、最後までその浅い沢地形をずっと辿ることにする。その一帯は疎林帯でゆったりとしたなんともいい雰囲気の場所である(3)。
604ピークの上で西からの尾根と合流し、尾根の上に乗る。その上は疎林帯の帰りのスキーには最高においしそうな急斜面である。その辺りまで来ると、昨日目に
したポンネアンチシ岳や余別岳、その手前に昨日ツボで登って肩を巻いた荒々しい770ピーク、その前に屏風岳などが見えてくる。ただし、冷たい北風が強く、汗をかいていた体温が一気に奪われる感じである。そこを登り切るとあとは緩やかな広い稜線歩きとなる770m附近のポコの陰で、風を避けて2度目の休憩を入れる。目の前には、二ノ目川の谷地形の先に岩内湾が続いている。その先のニセコ連峰はその上を一定の高さで雲がずっと覆っている。
休憩地点から尾根に乗ると(4)、ダケカンバがポツポツとたつだけの緩やかで広い尾根が直線的に続き、その一番奥にゆったりとした頂上が覗いている。帰りのスキー滑降は誰でもそれなりに楽しめそうな傾斜と長さがうれしい(5)。
少し登っていくと、左側から右側へ尾根を横切るようにかんじきの跡かと思うような足跡が続いている。初めは、単独行の人が別の尾根から登ってきたのかと思っていたが、いつの間にか見えなくなっていることから、やがて熊の足跡だということに気づくことになる。下りで注意して見てみると、上の方にもやはり尾根を横切るようにずっと続いていて、明らかに爪の跡もくっきりと認められた。雪の解け具合からして多分昨日のものであろう(6)。
最後の少し急な斜面を登って、緩やかで平坦な頂上へ到着である(7)。車デポ地点から3時間50分である。生憎、昨日頂上を踏んだ珊内岳や余別岳は雲で頂上部が覆われているのが残念であるが、鉞山が昨日と別角度から見え、西側の尾根からならツボ足で登れそうに見える。
少し休んでいる内に、珊内岳から雲が取れ、その姿を現す。その後ろには頂上付近にうっすらと雲がかかった余別岳とポンネアンチシ岳が見える。全員歓喜の声を上げてカメラのシャッターを押す(8)。
風の避けられるところでゆっくり食事を摂ることにして、
いよいよみんなが楽しみなスキー滑降タイムである。ほとんど木の生えていない広い緩やかな斜面である上に、雪が頂上近くはややウインドクラストしているが、高度を下げて来るに連れて程良い柔らかさになり、みんな子供のように喜々として思い思いのターンを刻みながら、遅れる人もなく、あっという間に休憩地点となる見晴らしのいい源頭尾根の分岐(650m)に到着する(9)。
風が避けられ、ポカポカ陽気の中、ゆっくりとビールを飲みながらの30分ほどの昼食タイムである(10)。そこから下はずっと下まで沢地形に沿って下りることにする。傾斜はたいしたことはないが、残念ながら雪がすっかり腐ってしまい、林も煩くなってきたので、滑りを楽しむというよりは、沢の先がどうなっているかという冒険心の方が優先してくる。
尾根に取り付いた手前辺りまで来ると沢が複雑に入り組んできて、沢の左側から右側に移り、どんどん下って行く。そのうちにいつの間にか登りのルートと交差してしまい、登りに沿って歩いた沢の反対側を進んで
いる。GPSで確かめたが、方向的には間違っていないので、そのまま下っていくと密度の濃い急斜面のトドマツ林にぶつかってしまう。右側は沢である。下には林道が覗いているので、スキー脱いでトドマツ林の中を下っていくと、見事に登りで取り付いた沢に出る。そこから林道を車デポ地点まで歩いて、6時間15分の山旅のゴールインとなる。
その後、神恵内温泉998に入浴後、しばし休憩・歓談し、札幌へ戻るメンバーと別れて帰路に就く。