伏美岳(1792m)ピパイロ岳(1917m)1967峰北戸蔦別岳(1912m)ヌカビラ岳(1808m)

<1泊縦走> [芽室山の会コース〜千露呂川・二岐沢コース]   2名→単独  05,6.19〜20

94.9.04の「伏美岳〜ピパイロ岳」のページ
97、7、20〜21の「北戸蔦別岳〜1967〜七ツ沼」
02,05,03の「伏美岳〜妙敷岳〜トムラウシ山」
04,6,11の「伏美岳」
いずれも再訪の山であるが、ピパイロと1967峰の間を繋ぐ念願の縦走が叶い、残雪に苦労したが、稜線の花々が最高!
6/19
4:30 日高道の駅
5:30 二岐沢取水ダム
    (車デポ)
7:40 伏美岳登山口
登山
地 点
7:55
11:10
11:50
13:45
----
13:55
15:20
15:50
16:30
伏美岳登山口
伏美岳
同   発
水場コル
(足の不調なTaさんと
 分かれる)
ピパイロ岳
ピパイロ岳西峰
1793コル・テン場(泊)
[9:35]総所要時間

6/20
5:30
6:00
8:20
9:05
12:15
13:00
1793コル・テン場
1967峰
北戸蔦別岳
ヌカビラ岳
二岐沢出合い
取水ダム
[7:30]総所要時間
14:00 沙流川温泉(入浴)

○車をデポして伏美岳登山口へ
 北日高の展望の山として有名な伏美岳から日高山脈の幌尻岳までの稜線は一級国道とも言える縦走路で繋がっている。この間でまだ繋いでいなかったのがピパイロ岳〜1967峰の間であった。いずれは機会があったら花の時期にでもそこを繋いで縦走をしてみたいと考えていた。そこへ昨年伏美岳へご一緒したtaka@千歳さんから「伏美岳〜1967峰を1泊ピストンしたいが、途中の登山道の様子を教えてほしい」とのメールをいただく。車が2台あればわざわざ戻らなくても、北戸蔦岳まで縦走して二岐沢コースへ下山する方が楽である。お互い退職後の平日登山が可能な二人なので、こちらの都合に合わせていただき、花の時期の縦走が叶うことになった。

 前夜に日高道の駅で落ち合って朝を迎える。北戸蔦別岳の登山道の偵察も兼ねるということで、関係者からゲートの鍵を借りて、千呂露川二岐沢の取水ダムまで車を入れることができた。そこから明日下りてくるヌカビラ岳の斜面を見上げたが、まだびっしりと雪が付いている。そこに私の車をデポし、takaさんの車で伏美岳登山口へ向かう。日勝峠を越えると晴れていて、日高側からは見えなかった日高の山々が迎えてくれる。登山口の駐車場へ着いてびっくり!日曜日と言うこともあり、40台近い車が駐車場から溢れている。仕方がないので、車を伏美小屋の前まで戻して駐める。

○まずは伏美岳を目指す
 登山届けを見ると、HYML(北海道の山ML)仲間の数人や『夏山ガイド』や『北海道の高山植物』等の著者の梅澤俊ご夫妻の名前も記載されているので、彼等との対面も楽しみに、登山口でお互いのカメラに自分の姿を収めてスタートである(1)昨夏以来の縦走装備であるが、残雪利用で水が少ないのと極力軽量化を図ったので、それほど重さは気にならない。こちらより明らかに重いリュックがちょっと気になるtakaさんのペースに合わせて後ろから付いていく。それでも、同じころスタートした日帰り装備のグループより速いペースである。

 昨年より1週間以上遅いが、花の咲き具合は同じような様子である。昨年も感動したムラサキヤシオツツジのピンクの回廊は(2)、オオカメノキの花の白とのコントラストが美しくペースが遅い分、その楽しい距離が長いような感じである。

 5合目を越えた辺りで、すでに下りてくるご夫婦がいる。こちらを見て、直ぐに、「坂口さんですか?」と尋ねられる。HYML仲間で、よく「亀の遠足」というハンドルネームで縦走報告をされているたま@白糠さんとのうれしい初対面である。昨夜は水場のコルに泊まり、ピパイロまで行って来たが、今日は夕方まで帰宅しなければならないので、早い時刻の下山だそうである。9合目付近で下りてくる一団の中に、やはり妙敷岳まで行って来たと言うこれまで何度か同行しているHYML仲間のKaさん、Yaさん、Aさんの顔があった。彼等に励まされて頂上を目指す。

<妙敷岳(左端)〜札内岳〜エサオマントッタベツ岳〜カムイ岳(中央手前)>

 膝を痛めているにもかかわらずtakaさんの頑張りで、同じ時刻にスタートした日帰り装備の人たちよりも早く、予定の3時間半より15分早く伏美岳頂上に到着する。これで4回目であるが、すべて山並みの展望に恵まれたことになる。しかし、残念ながら南奧のカムエクや1839峰はガスで見えなかった。(3,4)

 頂上は賑やかなので、少し先の下りに掛かる地点の平坦なところまで行って昼食タイムにする。目の前にこれから越える予定のピパイロ岳までのアップダウンの激しい長い稜線に否が応でも登行意欲が掻き立てられる。朝食が早かったせいもあり、一気に菓子パンを3つも平らげて自分でも驚いたが、takaさんにもびっくりされる。


<カムイ岳(左手前)〜幌尻岳(中央奧)〜戸蔦別岳〜北戸蔦別岳〜1967峰〜ピパイロ岳>
○takaさんにハプニング
 40分ほど休んで、まずは、11年振りのピパイロまでの急な道を下る。11年前はもっと藪やハイマツの幹が煩い道であったが、すっかり歩きやすくなっていた。またところどころに雪が残っているところもある。振り返ると伏美岳の端正な頂上が見える。しかし、下り始めてしばらくすると、takaさんの右腿が攣る。痛い左膝を庇って歩いている内に右足に負担が掛かったようである。回復を待って歩き始めたが、自分の足でないような気がすると言う。そのうちに両腿が攣るようになり、今後の行程が心配になってくる。

 そうこうしている内に、昨日「私も登っています」と電話を下さったHYML仲間のabo@帯広さんとも出合う。お喋りしているところへ梅澤俊ご夫妻も戻ってくる。2年振りの再会である。4人でいろいろ花談義をして分かれる。aboさんに二人の写真を撮っていただき(5)最低コルを目指してアップダウンの激しい稜線を下っていると、やはり1泊して1967峰まで行って来たというHYML仲間のTa@上川さんが戻ってくる。彼とは3年前の札内岳登山口以来の再会である。こちらの予定のテン場の様子を聞いて分かれる。

 伏美岳をスタートして、takaさんの足を騙し騙し予定より30分ほど遅れの2時間で最低コルにあるテン場の「水場のコル」に到着する。takaさんは、「今日これ以上歩くのは無理なので、ここにテントを張って、明日1967峰までピストンして、同じ道を戻るので、坂口さんは予定通り行動して欲しい」とのことである。一人置いてこちらだけ予定通り進むのは心苦しくもあり、心配でもあるが、山のキャリアはこちらより長い方なので言葉に甘えて先に進ませていただくことにする。

○単独行となってピパイロを越える
 そこからピパイロ岳までは急な登りが続くが、その急な部分のほとんどは雪で覆われているので(6)ピッケルを手に一歩一歩慎重に登る。途中の右手の沢の方からトラバース気味に登ってきていて、登山者の足跡の中に消えている昨夜のものと思われる熊の足跡がある。頂上に近づくと雪がなくなり、ハイマツ帯となり、道端のキバナシャクナゲの群生が励ましてくれる。

 「水場のコル」から1時間半弱で、誰もいない11年振りの懐かしいピパイロ岳頂上に到着する(7)11年前にこの頂上で逢っていろいろ話をした男性が、その後親しくお付き合いさせていただくようになっていたgan@札幌さんだったということがお互いにその6年後に判明したという思い出のピークでもある。しかし、今日は単なる通過点であって、ここから西峰を越えて1967峰までは初めて歩くうれしい花の稜線である(8)

 西峰までは緊張する花崗岩の岩稜帯であるが、概ね南側の根元に道が続いているので少しは楽である。今を盛りと咲くキバナシャクナゲの他にミヤマキンバイ、ミネズオウ、ウラシマツツジ、コメバツガザクラなどの花々が緊張を癒してくれる。

 30分ほどで西峰を越えて、時間的余裕もあるので、リュックを下ろしてのんびりと道端の花々を楽しみながら、1967峰手前の最低コルを目指す(9)

 いよいよ、今日のゴール地点である1793コルの快適なテン場に到着である。takaさんと一緒に来られなかったのは残念であるが、まずは、そばの雪渓にビールを冷やし、テントの設営に掛かる。

 テン場の南側には戸蔦別岳とその後ろにガスに覆われた幌尻岳が見える(10)。夕陽が沈むころになると、北西側の空も晴れて微かな夕焼けの下にチロロ岳も見えるようになる(11)


2日目へつづく

inserted by FC2 system