6/24
10:30 自宅発
17:00 道の駅「樹海ロード日高」着
6/25(第1日目)
5:00 道の駅「樹海ロード日高」発
登山 | 地点 |
6:20
6:50
8:10
10:00
10:40
11:40
12:40 |
取水ゲート
二の沢出会い
滝下(尾根取付)
トッタの泉
岩 場
ヌカビラ岳
北戸蔦別岳 |
[6:20] | 所要時間 |
|
○66歳トリオ
5月末から今春の退職後の夢実現のために、4ヶ月の予定で北海道旅行に入っているプロ並みの写真愛好家である四国松山市の法起坊見習さん。お互い四国遍路の際、ひとかたならぬお世話になった岳友の千歳のたかさんと二人で2泊3日の北日高の山へ案内した。全員、同年齢の66歳トリオ・・・。
この法起坊見習さんは10年ほど前から拙サイトを見ていたらしく、6年前の四国遍路をした際に、念願の初対面を果たした。石鎚山への案内など3日間もお接待を受け、昨年の四国の山旅でもお世話になった。さらに、一昨年、たかさんが四国遍路に出ることを知り、彼を紹介してお二人の交際も始まった・・・。
北戸蔦別岳にテントを担ぎ上げ、そこをベースに、2日目にピパイロ岳ピストン、3日目に七ッ沼カールをピストンし下山した・・・3日間とも晴天に恵まれ、日高山脈でも最も花の種類と量の多い北日高の稜線と大展望、そして、まだ多くの残雪に覆われた山上の楽園・七ッ沼カールを楽しんだ。
前日の夕方、道の駅「樹海ロード日高」で待ち合わせる。真っ黒に日焼けした顔にビックリ!
近くの沙流川キャンプ場で、再会を祝し、長沼かねひろジンギスカンをつつきながら、明日からの健闘を誓い合う66歳トリオの前夜祭・・・(1)。
○1日目<北戸蔦別岳まで>
すばらしい晴天の朝を迎える。5時に道の駅「樹海ロード日高」を出て、登山口へ向かう。関係者のご好意で、取水ダムまで入ることができた。途中に、法起坊見習いさんが見たがっていたヒダカハナシノブがたくさん咲いていたが、まだ太陽の恵みを浴びていないので、花びらが下を向いていた。
6:20、久しぶりの重い縦走装備を背にしてスタート。今日は北戸蔦別岳までなので、一番日程的に余裕がある。自分一人なら4〜5時間もあれば着いてしまうが、のんびり歩きながら花や展望をカメラに収めながら進む。
このルートは、2年前の癌摘出3ヶ月後の体力試しに北戸蔦別までテントを上げて、1泊2日で幌尻岳までピストンして以来で、これで4回目。
二岐沢から二の沢へ入って、沢沿いの登山道を進む(2)。3日前に登山道整備が行われたばかりで渡渉地点に石が並べられたり、木の幹を渡したりして快適に歩けるのがうれしい・・・感謝・感謝!
やがて、沢を多う雪渓の上を進む。正面にヌカビラ岳手前の橄欖岩の岩場が見える(3)。滝の下で沢から離れて、ロープが設置された急な斜面に取り付く。
トッタの泉で5リットルの水を汲む。当然だが5sの加重となる。一気にペースが落ちる。ゆっくり歩いても、いくら休んでも時間はたっぷりある。
素晴らしい天候に恵まれ、振り返ると夕張岳や芦別岳はもちろん(4)、遠くは羊蹄山や南の横津連峰、北の表大雪や北大雪の山々までよく見えていた
。
しかし、
その上の尾根の大雪渓は急で緊張しながらステップを刻んで慎重に登った(5)。ヌカビラ岳手前の岩場のカムイコザクラはもう終わりに近く、花びらのきれいなのが少なかった。今年は、6月に入って寒い日が多く、雪解けが遅かったので、花も遅いと思っていたが、6月後半の好天で、遅れを取り戻し、他の花同様意外と早かったようだ。
ヌカビラ岳手前の四角い橄欖岩を積んだような岩場まで来ると稜線に乗る。一気に展望が開け、右手に幌尻岳がど〜んと現れる。この岩と幌尻岳の組み合わせは好きな眺めだ。北カールにも多くの雪が残り、カール地形の様子がよく判る(6)。
目指す頂上も見え、この後、急な登りがなくなるだけに、うれしいポイントだ。ここで、幌尻岳や周りの展望を楽しみながら早い昼飯にする。展望がクリアでどこまでも見える感じ。南は羊蹄山や横津連峰、北は十勝連峰や表大雪はもちろん、北大雪の山々まで見える。
いよいよ見えている北戸蔦別岳までの稜線歩きだけだ。急な登りもなく、花と展望を楽しみながらのんびりとゴールを目指す(7)。
12:30、イワウメとミヤマキンバイが盛りの2年ぶり、4回目の北戸蔦別岳到着(8)。
このコースでここまでテントを担ぎ上げたのはこれで3回目(残り1回は伏美岳からの縦走)だが、いつも単独で、グループでの登頂は初めてである。これまでに経験のないくらいのゆっくりペースだったので、これまででもっとも疲れが少ない余裕の到着である。
2年前の登頂は、大腸癌摘出3ヶ月後の体力試しだった。その自信が夏の北アルプス踏破に繋がったピークだけに、感慨深いものがある。
幸い、二張りで満杯の頂上東側のテン場が空いていた。そこにテントを張り終えたらすることはなし。周りの展望を眺めながら、のんびり過ごす(9)。
南の方は、北斜面が見えるので、まだ白い部分が多い。そのお陰で、カール地形がよく判る・・・手前の戸蔦別AカールとBカール、戸蔦別岳から続く主稜線の中央には、昨秋に越えたカムイ岳、その向こうには大きな北カールを抱いたエサオマントッタベツ岳の鋭峰、その左側に札内岳と十勝幌尻岳(10)。写真にはないが、さらに主稜線の奧にカムエクなども見えていた。
北の方には、北戸蔦別北の肩〜1856〜1904〜1967峰〜ピパイロ岳〜伏美岳の連なりが見える。南斜面が見えるので、残雪は少ない(11)。ピパイロ岳までは明日ピストンするコースだ。
たかさんと私は何度も眺めている展望なので、時間を持て余し気味でテントの中で横になっていても、初めての日高の大展望が新鮮な法起坊見習さんは、カメラ持参で、あちこちと歩き回っていた。
夕食を食べた後の楽しみは、稜線泊ならではの楽しみの日没ショーである。19:00を過ぎてようやくその気配が漂ってくるが、夕方から急激に西風が強くなり、非常に寒い。がっちりと着込んで、その推移を見守る。
ガスの中に真っ赤になって沈む夕陽を捉えたが、日没後に期待したこれ以上の真っ赤に燃える空は出現しなかった(12)。
しかし、反対側にはちょうど満月の月が現れ、まさに「月は東に、日は西に・・・」状態(13)。
北海道人の二人は、寒くてさっさとテントに潜り込んだが、カメラマンの法起坊見習さんは、その月を狙って芸術性の高い写真を撮り続けていた。