<2日目・ペテガリ西尾根〜ペテガリ岳〜ペテガリCカール>

9/01(金)
時刻
地  点
 4:50
 8:00
 9:45
11:50
12:40
14:35
14:50
登山口
1263コブ
最後のコル
ペテガリ岳
  〃   発
1535コル
Cカール(泊)
[10:00]所要時間
○ひたすら忍耐の長い登り
 
 5時少し前、日帰りの横浜グループより20分ほど遅れてペテガリ山荘を出発。ここも2年前の台風で荒れた沢沿いの道から登山道へ入る。日帰り装備では4時間ほどで登った経験のある二人だが、縦走装備の上、時間的余裕もある。午前中に頂上へ到着できればいいので、一番強行日程の翌日に疲れを残さないようにゆっくりペースで登る。

 880mの平坦な尾根に乗るまで、急斜面を大きくジグを切る登りが続く。そこからは忠実に尾根の上に道は続く。右手にペッピリガイ岳の稜線が見え(1)、左手正面には、明日越えるルベツネ岳も見えて来る(2)。

 Yaさんが先を歩いてくれるが、彼のペースが私にはちょうどいいペースなのがうれしい。1時間歩いては10分ほど休むペースで登っていく。しかし、湿気が高いようで結構な汗が噴き出る。やがて、1200m台の尾根に乗るが、ここから頂上直下の最後のコルまでが、この西尾根の一番嫌らしいところである。大きいところでは標高差100m以上もある8個ほどのコブのアップダウンを繰り返しながら効率の悪いまま最後の1220mの最後のコルまで続くのである。登りだからまだ許せるが、これが下山となるとこの登り返しに涙が出てくるほどである。

 初めのうちは、左手に7年前に『北海道百名山』(山と渓谷社)の完登の山となった1839峰が見えていたが、だんだん雲で覆われてくる。右手には一昨年登った中ノ岳がずっと見えていたが、やはりだんだん頂上付近に雲が懸かり始める(3)

 1301コブで向きを北側に変えるが、そのころから頂上にも雲が懸かり始める(4)1220mの最後のコルへ下り立つと、頂上までの一気の標高差500mの急登が待っている。しかし、下りがないだけ、気持ちの緊張感を保つことができるのがうれしい。

 200mほど登ったところで、「5時間で登ったが、頂上はガスの中で何も見えなかった」と言う横浜グループが下りてくる。お互いに写真を撮り合って別れる(5,6)

 最後は、ガスの中の急登となるが、恐れていた雨がぱらついてきた。上だけカッパを着けてすでに秋色漂う急な尾根をゆっくりと登る(7)ガスの中から現れる偽ピークに騙されながらも、予定の12時に10分お釣りの来る7時間ちょうどで3度目の頂上へ到着する(8)
  
 雨は上がり気味であるが、残念ながら、ガスの中で展望はまったくなし。時間的余裕があるので、昼食を摂り、携帯が使えるので、メールを打ったりしながらゆっくりと休む。

○テン場のCカールへ

 Cカールの下り口のある1535コルを目指して、濃いハイマツを掻き分けながら稜線上の踏み跡を辿るが、歩き始めてすぐに本降りの雨となる。

 2年前に往復しているので、2時間という時間的なメドは立つが、ところどころに足下から切れ落ちる岩稜帯の通過もあり、雨で滑るだけに慎重に越える(9)BカールとCカールの間の尾根のピークを越えて下って行く。そのころになると雨も上がってくる。

 2時間近くになると、右手眼下にCカールが見えてくる(10)次かな?次かな?と小さなコブを越えるたびになかなか下り口の1535コルへ着かない。

 周りの灌木や草に掴まりながら雨で滑る急なカール壁の踏み跡を15分で標高差100mほど下って、ナキウサギの鳴き声が響く快適なテン場へ到着。周りにはウサギギクやエゾツツジやウメバチソウなどがまだ咲いている。

 幸い、雨も上がってくれたので、まずは水を汲みに行く。空の容器をナップザックに詰めて、ナキウサギを眺めたりしながら右手の丘を巻くように続く踏み跡を辿り、その先の涸れ沢へ下りていくと10分ほどで勢いよく湧き出る水場に到着。炊事用、水割り用、明日の飲み水として、一人3.5リットルほど汲んで戻る。

 きれいに整地されているところにテントを張って(11)今日の行動は終わりである。早速ラム酒とウィスキーの水割りで喉を潤す。テントの周りでもナキウサギがときどき姿を現すが、ここの個体は外で見るものより大きくて毛並みがいいような気がする。しかし、カメラに納めることはできなかった。

 夕食の支度をしようとしたら、再び雨が降ってきたのでテントに潜り込む。Yaさんが背負ってきてくれたテントは4人用なので、非常に広々として炊事も余裕を持ってできるのがうれしい。お湯を入れれば食べられるアルファ米の五目ご飯にYaさんが野菜を刻んで手際よくおかずを作る。そのほかに持ってきたおかずや缶詰や漬け物など、結構ボリュウムのある夕食を楽しむ。雨が降ってはいるが、仲間から携帯メールに送られてくる情報や携帯での天気予報でも、明日はどうやら好天が期待できそうである。安心して飲んでいる内に眠くなって、19時頃には眠りに就いてしまった。夜中にトイレに起きたら、満天の星が輝いていた。

3日目につづく(Cカール〜ルベツネ岳〜1599峰〜ヤオロマップへ) 


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