第20回湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会
85km参戦記
05,2,27

初参加の昨年に引き続き2回目の参加は、低温ながらも好天に恵まれ、昨年よりは辛さも少なく滑りを楽しみ、順位も100位ほどアップし、満足のいく結果であった。

天 候晴れ
気 温
雪 温
スタート時 気温  −17℃
       雪温  −16℃ 
ワックス


(効果)
base gallium グリーン+ブルー
top gallium AXF10:+AXF20=1:1
finish swix  セーラFC007焼き付け
(概ね周りの人よりは滑っていた)
記 録 5時間41分44秒
(1km換算ラップ 4分01秒)
順 位201位/1300名(男女混合総合)
途中経過タイム 北大雪スキー場(スタート)  0:00
丸瀬布(37km地点)     2:13
遠軽(60km地点)       3:38
             (10分休憩)
上湧別(ゴール・85km地点) 5:41
 国内最長のこの大会は、標高670mの白滝村の北大雪スキー場の下(数年前から営業閉鎖)をスタートし、白滝村市街地の西側から湧別川沿いに丸瀬布町、遠軽町、ゴールの上湧別町まで4町村を滑走する大会である。個人85kmの部(ちなみに謳い文句となっている「100km」は駅伝の部)だけでも、全国から今年は1300名以上も参加した大規模な大会である。距離は長いが、標高差650mの概ね下りのコースなので、「札幌国際スキーマラソン50km」で4時間を切れば、この大会は6時間を切ることができるといわれている大会である。

 初参加の昨年は様子見も兼ねていたが、今年は、タイムはその年の天候や雪温の状態によって異なるものの昨年同様6時間を切ることと昨年より順位を上げること、疲れたら休み、無理しないで自分のペースで滑りを楽しむことを目標に参加した。結果は、低温が災いしてみんなタイムを落としていたために、昨年より1分ほど遅いタイムであったが、順位は一気に100位近くも上がり、201位という大満足の結果であった。
 
 前日の早朝に函館を出て、一気に白滝村集落基幹センターまで9時間掛けて車で走って受付を済ませ、さらに宿を予約してあった上川町まで戻る。翌朝5時30分に宿を出てスタート地点へ向かう。快晴の放射冷却で途中温度計が最低で−21℃まで下がる。スタート時でも、−17℃であった。道南では経験することがなく、30年以上も前に旭川で経験して以来の低温である。しかし、これ以上の好天はないと思われるほどの快晴・無風状態で、これまでに登ったことのある白滝天狗岳やチトカニウシ、支湧別岳、ニセチャロマップ岳などの周りの山々が朝日に輝いて迎えてくれる。

 ワックスは、galliumのAXF10:+AXF20を1:1で塗り、買い換えたswixのFC007を焼き付けたアトミックの板と、swixのLF6にフッ素を塗らないフィッシャーの板を持ち込んだが、galliumの方が若干滑るのでそちらを選ぶ。結果的には、渋いながらもスタート直後の高いところも後半の低いところも、概ね周りの人よりは滑っていたような気がする。AXF10:+AXF20を2:1の割合に混ぜた方がもっとよかったのかも知れない?

 <7:30 まずは、北大雪スキー場をスタートし、白滝村を抜け、丸瀬布まで標高差470mの37km(1kmラップ3分36秒)>

  スタート地点へ行くと、すでに多くの位置取りスキーが置かれていて(1)、前から20番目ほどの列にスキーを置く。スキーテストをした後自分の置いたスキーの位置が分からなくなるので、スキーを雪面に斜めに刺して、ストックを組んで立てて車まで戻り、準備をする。その途中、この大会だけに絞って参加したいうEIZI@名寄さんと再会するが、インフルエンザに罹って間もないとかで、例年より色白で顔色も冴えない感じである。「後ろからのんびりと行きますから・・」とのことであったが、ゴールでは会うことはできなかった。

 ウインドブレーカーと靴をゴールまで運んでくれるトラックに預けて、スタート地点へ戻る。今年もウエストバックにカメラ持参の撮影モードである。まずは、スタート地点でチトカニウシ岳とこれから滑るコースをバックに写真を撮ってもらう(2)。今年は20回大会ということで、荻原健司がゲストとして参加していて、スタート前に挨拶があった。
 
 7:30、花火がなってスタートである。スタート直後の登り斜面で前が詰まって、思うように前へ進めない。無理して転倒してストックでも折ったら最後である。逆らわないで流れに任せてゆっくり登る。登り切ると広い牧草地の中の緩い下り斜面に出る。この辺りはまだ混雑状態なので、なるべく端の方を滑るように気をつける。踏み込むたびに低温の雪特有のギシギシ音とその渋さが体に伝わってくる。まもなく、このコースで最も長い下り斜面が続く。ここは全員クラウチング姿勢で楽しい滑降を楽しむ。滑りながら前の方をカメラに収める(3)。ここで周りの人とのワックスの合い具合の違いをチェックできる。自分は、どうやら周りの人たちより滑るようで、どんどん追いこしていくのが楽しい。

 上白滝辺りで湧別川を渡り、鉄道や国道の下を潜ってその北側にコースは続く。それ以降はこの湧別川と国道と鉄道に沿ってコースは続く。最初の大きな関門は19kmの旧白滝である。ここまでは超高速レースで、それほど疲れも堪らない。もちろんここの給食所はパスする。その後の丸瀬布までの間の給食所では2ヶ所ほどでスポドリとバナナを口にする。

 途中で、後ろから声が掛かり、「札幌国際50km]では勝たせてもらったXC-KID'Sと親交の深い札幌のKiさんが追い抜いていく。昨年は50km付近で追いこされたのだが、今年は非常に調子がいいようである。ワックスもぴったりと合っているようである。ゴール後聞いたら、昨年よりタイムも7分ほど速い5時間16分と、順位も大幅に上がり128位だったそうである。

 次の関門は37km地点の丸瀬布である。斜度が緩み、低温ゆえの一歩一歩の滑りの渋さが気になり始め、疲れも昨年より強く感じるようである。ここまでで昨年より11分ほど遅いタイムである。この調子では、トータルで30分ほども遅くなり、6時間を切るのは難しいのではないかと心配になる。この関門は町中にあり、応援の人が非常に多いところである。太鼓の音が聞こえてくると、いよいよ給食所である。ここでは、ゆっくりと牛乳、スポドリ、そうめん、お粥、バナナなどを口にする。

<丸瀬布町を抜け、遠軽まで標高差100mの23km(1kmラップ3分42秒)>

 丸瀬布から次の遠軽までの24kmはアップダウンも多く、昨年はどんどん追いこされモードで最も辛い区間であった。しかし、今年はワックスが合っていたのか、体力が付いたのか、丸瀬布で摂った給食が利いたのか、昨年とはまったく反対の追い越しモードで快調に滑らせることができた。

 このコース上でもっとも急な登りも、その下で写真を撮って(4)、一気に登り切り、面白いほど次々と追い抜くことができた。ときおり前の人に合わせてゆっくりモードのスーパースケーティングを使う余裕までできたのには驚いた。この間は、広い河川敷の中のコースが多く、快晴の青空と滑りを大いに楽しむことができた区間であった。

 昨年はようやく登り切り、立ち止まって一息つき応援の人に励まされた50km付近の堤防の上の地点への登りもあっさりと登り切る。そこでは大会要項とゼッケン照合しながら、「函館の坂口さんですね。頑張ってください!」と声を掛けられて元気が出る。

 やがて、遠軽のシンボルである瞰望岩が左手に見えてくると(5)、もっとも大規模な給食所のある遠軽の関門が近い。橋の下を潜って、当初から10分は休憩しようと決めていた給食所に到着する(6)

 昨年はヘロヘロ状態で辿り着いて完走が不安になったこの給食所であるが、今年は、丸瀬布までで昨年に比べて11分も遅れていたタイムを、この区間だけで取り返すことができ、再び6時間切りの自信を取り戻すことができた。おまけに昨年より追いこされることが少なく、逆に追いこすことが多いことから、このペースで残りの25kmを滑ると、順位も昨年よりは上がるであろうと確信を持つことができた。

 まずは、スキー脱いで、うどんをもらい椅子に腰掛けてしっかりと味わう。その後、あんパン、スポドリ、牛乳、紅茶などを摂って、10分ほどでスタートする。

<遠軽からゴールの上湧別まで25km(1kmラップ4分30秒)>

 やや欲張って食べ過ぎた感があって、お腹が苦しい。再び河川敷の中のコースを一定のペースで滑らせることだけを考えて進む。この区間は圧雪が不十分なのか、雪が柔らかいのが疲れた足に徹える。しかし、ここからも昨年と違って追いこされるより追いこす方が多い感じである。

 途中でダムの堰堤の上を通る地点があるが、カメラに収めようと思ったら、前の人との差が開いているので、後ろから来た女性に先を譲って、うしろから撮影する(7)。

 残り半分の12km付近までは元気であったが、だんだん疲れが酷くなり、足の伸ばし曲げが辛くなって来て、惰性だけで滑り、給食所でゆっくり休んでしまう。その間の追い抜いていく人は気にしないことにする。この辺りは向かい風が強くなり、コースが緩やかな登りに見えたりして精神的にも肉体的にも辛いところである。残り10kmからは1kmずつ減っていく距離表示板に励まされ、ペースの遅くなって来た人との差がだんだん詰まり追いこすことの方が多い。

 ついにあと1kmである。住宅街の生活道路を通り(8)、ゴールのグランドへ入る手前で「ゼッケン30番、坂口選手がまもなくゴールします。函館の方です。」との放送が聞こえてくる。

 ゴールで(9)手に渡された順位表は、予想よりはるかに上の201位で、ゴールのうれしさが倍増する。昨年は300位ちょうどでキリ番のラッキー賞をいただいたが、今年もあと一人で同じ賞をもらえるところであった。

 ゴール後の給食所にはいろいろあるが、遠軽で食べ過ぎたのか余り腹も減っていなくて何も食べる気はしなかった。タイムは5時間41分44秒と、昨年に比べて滑りが渋かった割りには1分ほど遅いだけ済んだ。タイムが同じで順位が100位近くも上がったということは、それだけ低温のため、他の人も滑らなかったということであろう。

 記録証と完走証とメダルをいただき、生ビールを買って飲むが、これもなぜかあまり美味くなく、一気に飲み干せなかった。バスの時間までゴール付近をうろついていたら、江差から参加のXC-KID'SのTaさんが、昨年の自分とまったく同じ300位でゴールしてきた。

 バスでスタート地点まで戻り、明日の流氷見物のために予約を入れていたカニや海鮮料理が食べ切れないほど出るので有名な常呂町の「船長の家」を目指す。宿について、鏡を見て右の耳たぶが凍傷に罹り、紫色に腫れ上がり、水ぶくれが破れていることに気付く。

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