第23回札幌国際スキーマラソン
50km 初参戦記 03,02,09

天 候曇り
気 温 スタート時   +1℃(雪温0℃)
31.5km地点 +3℃(雪温0℃)
ゴール時   +4℃(雪温0℃)
ワックス


(効果)
base SWIX CH6
top  SWIX HF7:HF8=1:1
finish セーラFC100焼き付け
(最高!)
記 録 3時間43分56秒
1km換算ラップ 4分26秒
順 位212位/619 名(男子)
 

開催要項表紙
自分のクロカン体力を試す意味でも以前から出場したいと思ってきた大会であるが、その機会に恵まれず、今年まで延び延びになってきた。自分にとっては4週連続4連戦の今冬のスキーマラソンの総締めくくりの大会である。これまで経験のない長距離なので、いつ脚に来るか分からないので、目標はとりあえず完走、次に4時間と設定して望むことにした。
 
 今回は、50km滑走後の帰りの車の運転はきつそうなので、列車で札幌入りし、前日の宿泊は、同じ大会に参加する山仲間のSoさん宅にお世話になることにした。彼はほとんど飲まない人なのであるが、そのことを知った山仲間が2人の訪問を受け、4人での飲み会になってしまった。はじめは500ML缶ビールを2本と宣言したのだが、とうとう雰囲気に負けて4本も飲んでしまったが22時には寝ることができた。しかし、朝起きたらまだ顔は赤く、脈拍は100も打っている。腹の調子は下痢気味・・・起きてから家を出るまでに5回もトイレに行く。家を出る頃には宿酔いも抜けたようである。

 7時過ぎに地下鉄に乗り、札幌ドームへ。初めての参加する大会でもあり、ばかでかいドームなので、どこに何があるのか分からず、Soさんの後ろを付いて歩くだけである。受付は前日彼がしてくれていたので、まず、スキーを700mも離れているスタート地点へ置きに行く。

 スタート順は、昨年のタイムや自己申告のタイムにより概ね速い方からゼッケン番号が決められる方式になっているので、私は初参加ということや4時間30分と申し込み時に書いたので、1495とかなり後ろの方である。そのグループより図々しくひとグループ前の方にスキーを置いてドームに戻る。滑走の身支度をして、荷物を預かって戻ったら、スタート5分前だった。その1往復半ですっかり体も温まり、アップ状態である。スタート地点には50kmの男女合わせて800人以上をはじめ、25km、10km、5kmと合計2400人のも凄い人数が集まっている。

ゴール後の満足な笑顔(koさん提供)

 スタートしたが、前がなかなか進まずイライラする。前を見ると反対側の右奥に並んだ人たちが広い地形をうまく利用してどんどん先に林道へ入っていく。結局林道へ入ったのがかなり後ろの方になってしまった。来年は右奥に並ぶことにしよう。まずは2kmほどの直線の急な登りの林道である。概ね2列になってゆっくり進み、追い越すのはほとんど無理である。しかし、ワックスが異常なくらい合っているのでイライラする。いつの間にかその真ん中のわずかな空間をうまく利用して、どんどん追い抜いていく流れができる。自分も中に入り、かなりの人数を追い越すことができた。

 やがて、その直線の登りを終え、左にカーブし、ようやく自分のペースで滑走することができるようになる。ワックス状態はこれまでにないくらいの合い具合で、エンジンでも付いているような感じで快調に飛ばす。3.5km地点まで登りが続くが、その後は、細かいアップダウンが続く。15kmくらいまでは、誰にも追い越されることなく、ずっと追い越しモードなのがうれしいし、何人を追い越したか分からないくらいである。4km附近の急な直線の下りは、ごろごろ転んでいる人たちがいて危険きわまりない状態である。

 7km附近?で、この大会の2日前に彼のHPを媒介としてメールをやりとりするようになったばかりの札幌のMaさんの後ろ姿を発見。追いついて初対面の挨拶をし、追い越して前に出る。初対面の挨拶がコース上というのも初めての経験である。初めて距離標識を目にしたのが15km地点であった。タイムを見たらスタート時のゴチャゴチャ状態から予想もできない1時間01分の好タイムにまたまた気をよくする。盛りだくさんの給食所も3ケ所もパスするくらい快調である。ようやく初めてカルピスとバナナを口にしたのは、24kmを過ぎた地点であった。

 明らかに走力の違わない人に追いついても、後半への余力を遺すためにも、無理して追い越さないように心がける。しかし、距離が進むに連れて長い登りや急な登りは結構辛くなってくる。登りの後には下りが待っているのを楽しみにしながらがんばることができた。また、結構急なカーブの下りが多く、初めての参加で、先が読めず、スピードを出して下っていいものかよく分からないので、見通しの利かないところは慎重に下る。20km過ぎた辺りから、登りで追い越されることも多くなる。見ると、ゼッケン番号が後ろの人で後ろから追い上げてくる人が多いようである。参加人数が多いので、常に前後にはびっしり人の姿が見えるのも励みになるものである。

ゴール後のSoさんとともに

 ちょうど中間地点の25km地点は1時間57分である。このままであれば、最後の7kmはほぼ下りなので、目標の4時間はクリアできそうであるが、後半、脚に来ないか心配である。31.5km地点はクロカンの公式競技場である白旗山競技場である。ここにはリイアする人のためのコースまで造られている。また、ここは、応援の人がびっしりいるところでもある。ゴールで出会ったKoさんもここで大きな声で私に応援を送ってくれたらしいが、全然気づかなかったのは申し訳ない思いである。

 30km地点で、これまで3週連続の大会の30kmと比べてみても、疲れはそれほどでもない。この辺りで完走の自信がつく。この辺りになると、似たような走力の人たちが追い越したり追い越されたりということが多くなる。35km附近でやや滑りが悪くなってきたように感じたので、左右のスキーを履き替えたら、また滑りがよくなりギアチェンジした気分になり、結構追い抜くことができた。

 41km附近の給食所では、42km先のこのコースの最大の急な登りに備えて、カルピス3杯、お粥1杯、巻きずし1個、サンドウイッチ1個をしっかり腹に詰める。お粥は初めて目にしたが、紙コップに入っていて、ズルズルと飲み込むことができるので具合のいいものである。ここの給食所が一番に賑わっていたようである。座り込んで休んでいる人もいる。

直ちにもらえる記録証

 しばらく緩い登りを進むと、係員が一人一人待たせて下らせる急な下りがあり、そこを越えるといよいよ急な登りになる。追い越しはほとんどできない狭い林道でもあり、そこを越えると長い下りが待っているので、みんな焦らず、並びながらゆっくりゆっくり登り、ちょっと傾斜が緩むところで、余力のある人は前へ出るという状態である。

 その後の長い下りを楽しみにようやく登り切ると、札幌の町並みがちらっと目に飛び込んでくる。いよいよゴールめがけての長い滑降タイムである。急なところはクラウチング姿勢で、なだらかなところはノンストックのスケーティングで、もっとなだらかなところはワンストロークを長くとって楽しみながらの下りである。40km以降1kmごとに距離標識があり、それがどんどん3分台で過ぎてゆく。中には1分40秒というまさに滑降競技のような部分まであった。なだらかな羊ヶ丘からの札幌の町並みが目の前に広がり、25kmのコースとも合流しにぎやかになる。

 ゴール地点の札幌ドームの銀屋根が見えてきて、やがて、そのドームへ向かって2kmほどの直線の緩やかな下りに差し掛かったとき、「ここまで来れた!」と思ったら、感激で思わず涙が溢れてきた。ドームの手前から右に曲がりスタート地点を経由して、ドームの敷地内に入る。ぐしゃぐしゃに溶けて滑り辛いゴール前の300mほどの直線の気分のいいラストランを楽しみ、ゴールを潜る。

 ゴールした途端、観客の中からサングラスを掛けていたので、誰かすぐに思い出せない女性が「坂口さん、ご苦労様!速かったですね!」と声を掛けてくれる。直ぐに、「そう言えば、応援に行きます!」というメールをいただいていたKoさんだと気づいて、駆け寄ってきてくれた彼女に3年ぶりの再会の挨拶をする。係りの若い女性から首に完走メダルをかけてもらい、Koさんに写真を撮ってもらう。その写真が帰宅したらすでにメールに添付されて届いていた。いい表情なので、早速トップページに掲載させていただいた。

完走メダルと参加賞のバッチと小物入れ

 その後、ホットカルピスを2杯も飲み、瞬時に印刷される完走記録賞をもらい、荷物を受け取り、MaさんとSoさんのゴールの瞬間に間に合えばとカメラを持ってゴール地点に戻る。入り口で同じクラブから参加していたEさんと出会う。彼は私より10分遅れの3時間53分だったそうである。彼と2人で写真を撮り、ゴール地点に着いたのが4時間ちょっと前で、Maさんのゴールには間に合わなかったようである。(帰宅後彼からのメールによると、昨年より9分ほど詰めて3時間52分でゴールしたとのこと。)

 その後、続々ゴールする人たちを眺めながらSoさんのゴールを待つ。彼も昨年より10分詰めて4時間33分でゴール。2人で記念写真を撮り、帰り支度をしてドームを後にする。地下鉄に乗り、札幌駅で彼と別れ、ひと列車速い切符がとれたので、着替えもしないで、わずか15分でラーメンと生ビール1杯を掻き込んで列車に飛び乗る。

 不安を抱えながらも、多分完走はできるだろうとの思いで参加した大会であるが、予想以上の好タイムに大満足の結果であった。ゴール後の体へのダメージもそれほどなく、ますます自信を深めることができ、スキーマラソン4連戦の有終の美を飾ることができた。この大会で4時間を切ると「湧別85km」は5時間台で滑走できるという。退職後の「湧別85km」挑戦が今から楽しみである。帰宅したら、すでに大会のリザルト(成績一覧)がインターネット上にアップされていたのにも驚いた。

 それにしても、初めて参加した大規模な大会であるが、林道や農道をワンウエイで50kmも繋ぎ、それを圧雪車や雪上車、スノーモービルなどを駆使してコースを造り、あちこちにテントを張り、多くの係員を配置しての大会運営に頭が下がる思いである。しかも、それが50kmだけでなく、25km、10km、5kmとほとんど別コースであるのだから凄い。

Maさんのページも見てみたい


「スキーあれこれ」目次へ   HOMEへ

inserted by FC2 system